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平成23年度指導者講習会

平成23年9月4日、小諸武道館で指導者講習会が開催され、文武館から7名の指導者が参加しました。
 
柔道はそもそも身を守るための術ですが、その柔道をやっていてけがをしてしまう事例が後を絶ちません。 講習会では安全指導に重点を置き、講義と実技がありました。

 文武館では今後とも安全な指導を心がけて参ります。また、指導員は講習会に積極的に参加し、最新の医学的知識や安全に関する知識の習得に努めます。

 以下に、備忘録として講習会の内容を記しておきます。

1 指導のあり方
指導者としての学びの継続。
指導者が学びを止めたとき、それは指導を止めるときだ。指導者は常に最新の知識を持って指導に当たらなければならない。古い間違った知識は払拭しなければならない。

年齢や体力に合わせた指導
 初心者にはまず受け身を教え、受け身ができたら次のステップに進む。受け身ができない子どもに乱取りをさせてはいけない。 世界大会に出場する選手の3割は中学校時代に全国大会に出場していない。小さい頃から活躍している選手だけが一流になるのではない。

指導者の品格
ジャージーを着たゴリラと言われないために
子どもたちは指導者を見て育つ。試合の時の応援態度に特に気をつける。
審判に文句を言わない、相手の選手を野次らない。やっちまえー、殺せーなど。

2 指導目標
小学生は長期計画のスタート。柔道だけではない。いろいろなスポーツをやらせ、体作りをした方がよい。
中学生は専門的な取り組みのスタート、性差への配慮。セクハラに注意。誤解されるような行為は行ってはいけない。
高校生は将来を見極めた指導。特に怪我への配慮が必要。

3 指導上の注意点
段階的な指導を心がける。初心者は何歳でも初心者である。高学年の初心者にもきちんと受け身から教えるべき。体力があるからと言っていきなり乱取りをさせてはいけない。

一本を取る柔道を教える。試合の勝ち負けにこだわりすぎない。

4 指導法
怪我をさせないために、体力作りと受け身をきちんと教える。
科学的な視点を大事にする。科学的な知識を得ることを止めない。餃子耳を作らせない。慢性的な痛みがある場合は医療機関を受診させる。気合いが足りないせいにしない。

5医学的知識
これからは、知らなかったでは済まされない。指導者として当然しておかなければならない知識がある。
頭を強く打つことによる重大事故が多い。その中でも急性硬膜下血腫が多く、死亡、重度障害などの重大事故になる。
頭を打った時はその後の選手の状態に細心の注意を払う。おかしいと思ったらすぐに救急車を呼ぶ。安静にさせるときは一人にさせない。

回転加速度損傷。揺さぶられっ子症候群。頭を直接打っていなくても脳に障害が起こることがある。

セカンドインパクト。一度ダメージを受けた脳が再び強い衝撃を受けると危険性が極めて高くなる。
危険だと判断したときは練習させてはいけない。
熱中症に注意する。
柔道の安全指導に、柔道という日本が世界に誇るべき文化の未来がかかっている。

6 実技
子どもの体力作りや受け身の習得のために遊びの要素を取り入れた指導方法を紹介していただきました。文章だけでは説明が難しいので写真を参考にしてください。
・アニマル
・クモ
・カエル
・カンガルー
・キョンシー
・ゴリラ
・ゴキブリ
・トカゲ
など
以上です。ご意見ご感想あればコメントをお願いします。

2011-09-04指導者講習会